2023/08/24 12:00

Smartrenchです。

今回は、以前お話していた ”技術の本質 ” についてです。
先ず、特許権には権利範囲があり、この権利範囲を大きく、広くすること!
これこそが強い特許権を作ることに繋がりますが、この点を間違ってしまうと
単に包含するようなことばで権利範囲を記載していることに気づかないことが
よく散見されます。
技術の本質を見極めることは、その技術の上位概念を権利化することに
近づくことになり、特許権として強くすることができるため、非常に重要と
考えています。
では、どのようにして技術の本質の部分に近づけば良いかについて書いてみます。

今回は、発明発掘や、出願前の発明相談の場を例にあげることにします。

発明発掘の場合では、技術活動の中で新規発明となる技術を探していきます。
探し方は様々ですがその中の一つとして、” 顕著な作用・効果 ” という観点で探す
方法があります。これは特許の審査に通じる考え方だと思っています。

例えば、進歩性判断の基準の中には、その発明に顕著な効果がある場合には進歩性を
認める という考え方があります。
この考え方を参考に、普段、何気なく行っている技術活動の中で顕著な効果が
含まれているかどうかを確認していきます。
別の言い方をすると、発明者が認識している発明の効果を聞取りする中でその効果
以外の効果が無いかを確認するわけです。

実は、ここでいう 技術者が認識していない効果 を聞き出すことが発明発掘において
技術の本質に近づくことになります。
発明者も気づいていない点を探すわけですから " 非常に高度な質問力 " が要求される
場面です。 これは発明相談の場合でも同様であると私は考えています。

では、高度な質問力を身に着ける方法は? と聞かれると、これが一番難しい点です。

なぜなら、高度な質問ができるということは、発明者と同等とは言いませんが近いレベルの
その技術の知識が必要であり、” 発明を多面的に捉えることができる思考力 ” が必要になります。

その多面的思考回路を養う一つの目安として、
例えば、参考になる考え方として、『 TRIZ 40の発明の原理 』 というものがあります。
これはロシアの元特許審査官のアルトシューラーが問題を効率よく解決するための手法として
体系化したものと言われており、技術課題に対して解決する着眼点(参考となる点)を
40通り示していると考えていただければと思います。

新規の発明に対して、40通りの着眼点から何を選択し、質問するかを考えるようにする
ことで発明に対する多面的な質問ができるようになると私は考えています。

一度、ご参考にしてください。

次回は、また、別のテーマで書いてみます。